ある島にて・・・（一日目）

ある島にて・・・・

一日目・・・・
　

　海岸で目覚めた。

　口の中が砂でじゃりじゃりする。

　どうやら漂着したらしい。

　とりあえず、命があるだけ良かったと思う。

　しかし寒い・・・・。身体の芯から凍えるようだ。

　気候がまだ暖かくて助かった。
　

　身体を引きずるように海面から抜け出る。

　どうにも身体が重い・・・

　ああ、そうだ。ナップサックを背負っていたんだ・・。

　水をたっぷり染み込んだ衣服を引き剥がし、身体を見回す。

　所々に傷を負ってるが、深刻な傷は無いようだった。

　海水がしみ、にぶい痛みが時折訪れる・・・。

　おそらく打撲でもしているのだろう。

　よく見ると何箇所かに痣が出来ていた。
　

　服を漁ると、ライターとペンが出てきた。

　ポケットティッシュもあったが、ずぶ濡れで使い物にならないようだ。

　一緒に流れ着いていた愛用のナップサックからは、メモ用紙と飲みかけ

のジュース入りペットボトル、タオル、そして少しの食べ物、カミソリが見付かった。

　みな、一様に濡れてはいるが、乾かせば何とか使えそうだった。

　試しにライターを使ってみる。

　十数回の苦闘の末、何とかついてくれた。

取り合えず火の元は確保出来た。

後はこれを上手く使って生き延びねばならない。

　何が居るかも解らない所だ。

　火が生命線になるだろう。

　幸い薪になりそうな、枯れ枝は簡単に拾い集める事が出来た。

　枯葉で火種を作り、これに火を起こす。
　

　ジュースと見付けた食べ物で食事を取り、ようやく気分も落ち着いてきた。

　火を絶やさぬよう枯れ枝をくべ、枯葉の布団で睡眠をとる。

　今日はもう疲れた・・・・・

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