ある島にて・・・（三十三日目・突破口？）

三十三日目（突破口？）

　口の中に香ばしいモノが広がっている。

　私は栗ミサイルを避けながらぼりぼりと栗をほおばる。

　気を抜くと真っ赤な焼き栗が激突するので油断が出来ない。

　瓜はそのミサイルを簡単に掴みながら皮ごと食べている。

　この方が勝手に焼けたら飛んでくるので便利なのだそうだ。

　熱くないのかと聞くと。

　何を言ってるんだ、熱いから美味いんだよと返された。

　何かがずれている。

　しばらく座っていると。

　火の勢いも手伝ってみるみる内に乾いてきた。

　パリパリって感じだ。

　べたべたなのがパリパリになる感触はなかなかに楽しいものだった。

　ミサイル避けが良い運動にもなった。

　瓜に岩山の事を相談してみる。

　あれは蔓か何かで登るしか無いだろうなァと瓜は言った。

　唐辛子が変な植物に詳しいぞと教えてくれた。

　あんまり唐辛子には会いたくないな・・・。

　まァ、簡単に登れるならとうに誰か登ってるよとも言われた。

　確かにその通りだと思う。

　つまりはここだけの知識だけでは登れないと言う事。

　という事はそれに私の知識を加えなければならないと言う事でもあるのだろう。

　と言ってすぐにいい案が出てくる訳でも無く。

　何か杭でも打ちつけながらそれを足場にして登れば・・・。

　岩山の表面はぼろぼろと崩れても。

　あれだけの高さがあると言う事は中はしっかりしているのだろうから。

　ううむ、景気良く一気に登れる手は無いものか・・・。

　それから栗を食べる瓜を後目に。

　とうとうと考え込んだ私だった。

　考えたからと言っていい考えが簡単に浮かぶはずも無く。

　今だこうと言う案は出てこなかった。

　まあそれでも準備を入念にすればなんとかなりそうだった。

　取り合えず、唐辛子には会いたくは無い。

　

　それから帰って来た茄子胡瓜と共に宴会となった。　

　いつでも泊まりに来れば良いと言うお墨付きをもらって安心して酔いつぶれた。

　でも毎日これだと身が持たないな・・・。

　 BACK・ EXIT・ NEXT