ある島にて・・・（十三日目）

十三日目

　今日もすっきり目が覚めた。

　少し身体を動かして身体をほぐす。

　食料もしばらくは持ちそうであるし。

　水も確保出来た。

　そろそろここの事を調べてみるのもいいかも知れない。

　昨日の物知り老人参に聞くのが手っ取り早いだろう。

　

　腹が減ってはなんとやら。

　朝から乾燥肉をがつがつ食べる。

　最近肉ばかり食べてるが大丈夫だろうか。

　しかしこの肉がどうにも美味い。

　私は水入りペットボトルを持ち。

　昨日老人参を送った所まで行って見る事にした。

　森に分け入り道のりに進んで行く。

　どうやらここも見た目よりも遥かに開発されているらしい。

　私が不味い実しか拾えなかったのは。

　どうやら未開発の土地だったからのようだ。

　こそ泥も居る訳だ。

　枝になった果実を捩りながら歩く。

　甘い・・・。

　疲れも消えるような味だった。

　久しぶりに甘いものを食べた。

　しばらく行くと。

　少し開けた所に出る。

　ここら辺りがどうやら一つの町になってるらしい。

　そして老人参の居るここが丁度町外れと言った所と聞いた。

　ここの住人は主に木か草むらに私のような住処を作って暮らしているらしい。

　

　草むらに向けて声をかけると。

　中から老人参がゆっくりと出てきた。

　昨日のお礼から世間話に入り。

　一通り話した所で質問をしていく。

　しかし何だか顔色が、身の色か？が悪い。

　聞いてみると何だか町の方が色々と大変らしい。

　丁度大統領選挙を間近に控えた時期らしいが。

　今回はいつになく揉めてるらしい。

　立候補者が二人の一騎打ちなのだが。

　片方がどうも違反に近い事を平然とやってるらしい。

　このメロンがまた人も羨むほど煌びやかで演説も堂に行ったものらしく。

　そのせいで人気もあり誰も信じないのだが。

　この老人参は町の調停役と言うか相談役みたいなのをやっていて。

　もう一方の方から相談を受けて色々と頭を悩ませてるそうだ。　

　もう一方の立候補者の牛蒡が実直でこれが大変良い牛蒡らしいのだが。

　如何せん見た目もぱっとせず、口下手なのも手伝って。

　このままでは結果は見えている。

　だがあのメロンが当選してしまうと。

　どういう事になるかは目に見えている。

　と。そういう事だった。

　間に食事もいただき。

　気が付いてみるともう夕暮れの時刻だった。

　老人参は話を聞いてくれてありがとう。

　おかげで楽になったと言って。

　お土産に老人参が造っているという果実酒をいただいた。

　私はお礼を言ってから住処に戻った。

　それから果実酒を飲んで眠った。

　老人参の苦悩・・・か・・・。

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