ある島にて・・・（三日目）

三日目・・・

　今日は昨日危惧してた通り、朝から雨だった。

　しょうが無いので昨日作った屋根の下で雨が上がるのを待つ事にした。
　

　時折、かさかさと草の音が聞こえた。

　私はその音にびくびくしながら火に薪をくべていた。

　うーん、野犬の類でなければいいんだが・・・。

　まあ、火があるからなんとかなると思う。

　悲観的になっても疲れるだけだと、もはや気にしない事にした。

　と言っても勿論内心はびくびくしていた。

　と、疲れが今ごろきたのかうつらうつらしだした。

　雨音が心地よいメロディに聴こえる。
　

　眼を覚ますとすでに日は高かった。

　雨も止んですっかり晴れていた。

　天候の変わりやすい島だなと思いつつぼんやりしてると。

　ふと目の端を何かが通った。

　眼をごしごしとこすった後にはもう何も見えなかった。

　何か紫色のようなものが見えた気がするが、気のせいなのだろう。
　

　それからは狼煙作りに精を出した。

　これくらいしか思いつかなかったが、しないよりはマシだろう。
　

　そうして屋根に戻って来るとき。

　何か話し声のようなものが聴こえたような気がしたが、やはり何も居なかった。

　幻覚に続いて、幻聴が出てくるとはそうとう参ってるのだろうか。

　しかし、心なしか確保しておいた食料が減っている気がした。

　でもあんな不味い物を食べるのは私くらいだろうと少し可笑しかった。

　ここに流れ着いて初めて笑った気がする。

　勿論、気のせいとして処理し、寝床に就いた。

BACK・ EXIT・ NEXT