ある島にて・・・（四日目）

四日目・・・

　今日も朝から曇っていた。

　雨に備えて屋根に落ち葉を載せて補強した。

　これでなんとかなるだろう。

　あの山になってる辺りに洞穴でも無いものかと思う。

　この生活にも少し慣れてきた事だしそろそろ探索に出ても良いかも知れない。

　しかし、ここに来てから動物を見た事が無い。

　こんな森があれば小動物の一つでも居そうなものなのに。

　うーん、何だか変な所だ。

　昼になっても空はどんよりと曇っていた。

　何となく気分が滅入る。

　不味い木の実を頬張りながらぼんやりしていると。

　また、何処かでがさがさ聴こえた。

　ああ、火があるから近寄ってこないのかな。

　やっぱり、何かしらの動物は居るみたいだ。

　ごろごろしていてもしょうが無いので、浜に出て潮干狩りをしてみた。

　枯れ木でがしがし掘ってみると、結構簡単に貝が出てきた。

　これであんな不味いものを食べなくて済む。

　もっと早くにしておけば良かったと思う。
　

　住処に戻ると、今日も何か話し声みたいなものが聴こえる気がする。

　二度も続いたので流石に変に思い、こっそり近づいてみた。

　すると、胡瓜が木の実を運び出しているのが見えた。

　茄子が指示をしている。

　私は思わず大声をあげそうになり、手を口にぎゅっと当てた。

　そうしていると、茄子達はさささっと森に消えて行った。

　なかなか鮮やかな手並みにしばし感心した。

　まあ、あんな実をいくら盗られようと私は一向に構わない。

　それより、今日は美味しい物にありつけそうだ。
　

　それから私は悪戦苦闘しながら、貝を火であぶって食べた。

　思わずにやけるほど今の私には美味かった。

　明日は鍋になるものも見つけて来なければと思った。

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