ある島にて・・・（七日目）

七日目・・

　今日は程よく晴れた日だった。

　例の不味い木の実をぼりぼりとほうばりながら。

　この実も何だか美味く思えてきたなとぼんやり思う。

　それから目を２、３度瞬かせてから背伸びと共に立つ。
　

　森を眺める。

　これだけの森があるなら小川か湖のの一つや二つはあるだろう。

　山の方にいけば湧き水でもあるかも知れない。

　ペットボトルに溜めておいた雨水をごくりと飲む。

　もう残り少ない。

　私は山ずたいに歩いて見ることにした。

　小川があるにしても元はこっちから流れてるのだろうし。

　木の実をぼりぼりかじりながらしばらく歩く。

　そうすると何か水音のようなものが聞こえてきた。

　何か道のようなのも見付けた。

　そのまま道に沿って少し歩くと。

　共同水飲み場第三支部ひまわり団地前という看板を発見した。

　きょろきょろ見回してみる。

　一応柵で囲まれているが簡単に入れそうだった。

　間からそっと覗くと、守衛の看板の下にソラマメがうたた寝していた。

　私はこれ幸いとこっそりと進入し、湧き水からペットボトルに水を入れ。

　ついでに貯水樽を一つ拝借した。

　これでしばらく水には困らないだろう。

　ソラマメはずっと寝ていた。

　疲れてるのだろう。

　私はお詫び代わりに木の実を少し置いておいた。

　住処に戻り、早速パン作りにとりかかった。

　海岸から拾った尖って粗い石の上に木の実を乗せ。

　手ごろな石でごりごり砕く。

粉にしてから水を混ぜてぐりぐりこねる。

　塊になったら、手ごろな大きさに千切って焼けた石に乗せる。

　蒸し焼きの方がいいだろうから、上に葉っぱを乗せておく。

　ぼんやり眺めていると。

　葉っぱが浮き上がるように持ち上がった。

　それを手で払い見てみると。

　パンは少し膨れており、一応焼けているようだった。

　私はパンを葉っぱで包んで掴み、少しかじってみる。

　ほろ苦さは残っているものの、少しだけマシになっていた。

　何か他の甘いものでも混ぜれば美味くなりそうだった。

　今日はこれで我慢する事にしよう。

　やはり貝の方が美味いな。

　そんな事を考えながらいつのまにか寝ていた。

　こういう時は疲れが少し心地よい。

BACK・ EXIT・ NEXT

　