ある島にて・・・（二十二日目会合中）

二十二日目（会合中）

　振り向くとそこには・・・。

　瓜が立って、多分睨みつけていた。

　そのまっさらつるつるな身体からある種の威圧感をかもし出している。

　私は思わず腰が引けながらも、あいさつだけしてみる。

　瓜は真中辺りに陣取るとどっかと座り、お前も座れと指差した。

　取りあえず、言われた通りに座ってみる。

　瓜はたまに変な奴が紛れ込むんだと憮然とした感じで言う。

　そして後ろの草むらに声をかけると。

　のっすのっすと茄子と胡瓜が現れた。

　件の茄子と胡瓜だ。

　向こうは私の事は知らないだろうが。

　そして瓜にへこへこしながら果実酒らしき瓶を渡す。

　どうやら親分ってとこらしい。

　私が相変わらずおろおろとしていると。

　瓜が客人飲みねいと木の実を割ったコップを差し出して来た。

　喉がからからだったのも手伝って一気に飲み干した。

　熱くてドロドロしたものが喉を通り抜ける。

　むせ返るくらい強いアルコールの匂い。

　鼻から飛び出てきそうだった。

　しかし美味い。

　例え喉や鼻が焼け落ちようと飲みたいと思うほど濃厚で複雑な味わい。

　老人参からいただいたものに似ていた。

　私がそう言うと。

　瓜はあのじいさんを知ってるのかいと嬉しそうににんまりとした。

　それから瓜の老人参にどれだけ世話になってるかを一時間二話構成で聞かされた。

　その合間に私の事も話し、何だかやけに盛り上がったようにおぼろげに記憶している。

　

　何時の間に眠ってしまったものか。

　気が付いてみると日もとっぷりと暮れていた。

　目の前には火が焚いてあり、優しい暖かさを感じる。

　むくりと起き上げると身体から草や葉がはらはらと舞い落ちる。

　どうやら誰かが布団代わりにかけてくれたらしい。

　焚き火の向こう側を見ると瓜と目が合った。

　瓜は未だちびちびと飲んでいるらしかった。

　飲み始めた時間を考えると驚くべき酒豪と言わざるを得ない。

　ほのかに赤くなっているが言動にはぶれが微塵も感じられない。

　

　それから改めてゆっくりと瓜と話をした。

　ここに着てから牛蒡の事まで。

　瓜は無愛想だが終始真面目に聞いてくれた。

　そうして人参のじいさんにも世話になってくれてるし、ここは一丁力になろうと言ってくれた。

　自分もメロンの野郎はでーきれえだからようと。

　ともかく今日はゆっくりしていけ、詳しい話は明日だと言って瓜も床に着いた。

　私は一人で起きているのも物悲しいので、お言葉に甘えて寝かせていただいた。

　こうやって誰かと寝るのも久しぶりだ・・・。

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