夢を見る。いつまでも見ていたかった。

 例え儚くとも、それを求め続けたい。

 でも何故だろう。何故夢を見てしまうのか。必要なのか。それとも。

 解らない。解らないままに夢を見、夢に破れ、それなりの安定を手に入れながら、日々生き残る。

 そしてまた夢を見、破れ、時には叶え、ささやかな幸せの下で、一生を過ごす。

 その事にどれだけの意味があるのか、ないのか、解らない。

 ただ感じられる事は、それが遠い場所にあるという事だ。

 実感などは湧かない。今もまるで夢の中。

 眠ってみるものもまた夢。

 上手く名付けたものだと思う。

 起きてみる夢、眠りみる夢、一体どちらがどれだけ幸せなのだろう。不幸せなのだろう。どちらが本当な

のだろう。

 それともどちらも本当ではないのか。

 解らない。解らないままに続いていく。

 もしかしたら、その不解さから逃れる為に夢をみるのだろうか。

 その不解さから解き放たれる為に、夢を叶えるのだろうか。

 そこに意味を見出す。訳の解らないものに無理矢理に見出す。

 それが夢。幻と現実の狭間、生きてみる夢。

 尊いのだろうか。それだけが今も、解らない。




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