腹の虫は意地悪で、いつもちくちく突いてきます。 勘弁して、ごめんなさい。でもどんなに謝っても関係なし。ちくちくちくちく突いてきます。 腹の虫は止めません。何を言われても構いません。 ちくちくするのが仕事なのです。 人にとっては痛い痛いだけですけれど、ちゃんと意味があってやっているのです。 体に悪い物がたまったり、良くないものが入ってくるから、ちくちくちくちく追い出しているのです。 頑張れば頑張る程ちくちくするので、やられている方は大変ですが、そうしないと駄目なのです。 悪いものは全部出さないといけません。 そうしないと益々悪くなってしまいます。 世の中には体に悪いものが溢れています。 まるで生き物を痛めつける為にあるかのような世界です。 でもそんな営みも、それぞれが生きる為に必要な事なのです。 そうするように生まれてくるのです。 ちくちく痛いくらいなんでしょう。 それはずっと守ってもらっている証です。 いつもあなたの中に居て。 あなたが悪くならないように見張っている。 どんなに悪く言われても。 どんなに憎まれても、恨まれても。 毎日毎晩休みなしに。 腹の虫は頑張っているのです。 お腹がぐーぐーなってしまうのも。 腹の虫がごめんねと謝っている音なのです。 迷惑かもしれませんが、少しだけ許してあげて下さい。 腹の虫も頑張っているのです。 今日もあなたを守る為。 何の見返りも、優しさもなしに。 腹の虫はいつもあなたを守っています。 きらりきらりと目を光らせて。 あなたをずっと守るのです。 生まれてから、死んでしまうまで、ほんの一瞬の休みもなしに。 いつも頑張っているのです。 そう思えば、ほら。 少し自分のお腹がいとおしくなりませんか。 そしたら優しく撫でてあげて下さい。 腹の虫が喜んで、いつもよりちょっと楽しくなるかもしれませんよ。 |