それは柔らかい毛に包まれたみたいで。

　ふわふわで丸くて優しいモノです。

　触ると暖かくて安心します。

　でも時には色がくすんでトゲトゲになってしまいます。

　そういう時は触れるととても痛くて涙が出ます。

　そのトゲトゲも哀しそうで泣いています。

　怒っているのにぎらぎら尖がっているのにとても悲しそうです。

　そしたら今度はしおしおと萎れてちっちゃくなってしまいます。

　反省しているのかも知れません。

　それを見ているとまた涙が浮かんできます。

　なので私は撫でてみました。

　するとだんだんだんだんふわりふわりとしてきます。

　むくむくむくむく大きくなって。

　ふんわりふんわり笑います。

　そしたら私も笑います。

　そしたらもっと笑います。

　もっと笑って角が取れて丸くなって。

　あったかくて安心します。

　でもそれで手を止めてはいけません。

　もっともっと撫でるのです。

　いつまでもいつまでも撫でるのです。

　そうしないとまたいつトゲトゲが出るか解りません。

　トゲトゲは悲しいのです。

　その後萎れるのも辛いのです。

　優しく優しく撫でましょう。

　そしたらもっと笑います。

　私もずっと笑います。

　ふわふわふわふわ包み込み。

　優しく優しく包まれる。

　それが大変良いのです。

　ずっとそれが良いのです。

　だからは私は今もそっと手を伸ばし。

　優しく優しく思いを込めて。

　ゆっくりゆっくり撫でています。

　貴方の心を撫でています。

　そしたら心もふわふわと。

　浮かんで優しく笑います。

　そしたら私の心にも。

　笑顔がずっと浮かぶのです。

　このままのんびりいれたなら。

　幸せ過ぎて良いのにな。


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