言葉団子


 あの団子にいの団子がくっつくと愛になります。

 そこにかの団子がやってきて、ほうら皆真っ赤になりました。

 かの団子も恥ずかしかったのでしょう。すぐに向こうへ行ってしまいました。

 そこへすの団子がやってきましたので、皆すっかり落ち着きました。

 安心したのか、かの団子がまたやってきましたので、今度はあの団子の方が恥ずかしくなって、どこかへ行ってし

まいました。

 残ったのは縞模様の熟れた野菜。

 じゃあ食べてしまおうという事になりまして、割ってみますとあら不思議、野菜の中にはかの団子が隠れておりま

したとさ。



 うの団子にみの団子がくっついて海が生まれます。

 そこに、にの団子がくっついて、ウニで溢れました。

 このままではトゲトゲ危険なので、のの団子がやってきて、ミノを作って被さって皆を護ってあげようと思いました。

 でも勢い余ったのの団子はみの団子を巻き込んですってんころり、逆さになってノミになり、ウニを全部割ってし

まいました。

 美味しかったのは良いですが、ちょっとウニがかわいそう。

 そこでにの団子を切り離し、海に逃がしてあげましたとさ。



 つの団子にきの団子がくっついて月が昇りました。

 きの団子は仲良しなので、いつも一緒。たくさんのきの団子がやってきます。

 とうとう月はたくさんの木に包まれてしまいました。

 つの団子はこれでは月らしくないと怒り、たの団子をいっぱい連れてきて、きの団子とくっつけて滝にしてしまい、

全部落としてしまいました。

 するとつの団子にくっついたきの団子も怒って離れ、つの団子はたの団子にくっついてツタになってどさりと地面

に落ちてしまいましたとさ。



 最後にかの団子が身体を洗おうと海にやってきました。

 かの団子は人気者なので、めの団子が付いてきてしまいました。

 きの団子も月から落ちる間にたの団子と離れてしまったので、寂しくなってかの団子についていきました。

 でもかの団子はどちらの団子もあまり好きではないので、海にたくさん居たにの団子とくっついて、横走りに海底

へ逃げていってしまいました。

 めの団子ときの団子は困って二団子でくっつこうとしましたが、どうしてもくっつく事ができず、困ってしまいま

した。

 そこに二団子をかわいそうに思ったしの団子が助け舟を出し、岸ができてようやく一息つけたのですが、飯という

言葉もできてしまったので、海底へ逃げてしまったカニは全部食べられてしまいましたとさ。

 でもめの団子はかの団子が好きだったので謝ってくっついて、亀になって仲良く海を散歩しましたとさ。



 こんな風に言葉団子達は色んな風に面白おかしくくっついて、この世界を楽しく彩り続けているのですよ。




EXIT