真偽の連続


 世の中は不確かな物事ばかり。

 嘘かもしれない。本当かもしれない。その判断が付かない。

 ある人には本当でも、別の人には本当でなかったりするから厄介だ。

 嘘だけではないし。間違っているものばかりでもないけど。どちらなのかはっきりしない。

 正しいのか、正しくないのか。これをしていいのか、悪いのか。解らない。

 自分で決めればいい。そうかもしれない。

 でもその自分もまたはっきりしない。昨日は確かにこうだと思っていたのに。今日見ると

全然違うように見えたりする。

 これだと確信していても、もう一度考えると違うような気がしてくる。

 それでも良いと思い切ってみても、後で思い返せば後悔する。

 そんな日々。

 いつも安心できないのは、自分の気持ちに自信が持てないからかもしれない。

 だからこう思う。

 正しいとか、良いとか、そういう風に考える事自体が間違っているんじゃないかって。

 今日は正しかったものが、明日には悪くされてしまうような仕組みなら。

 はっきり決めてしまう事自体が間違っているんじゃないか。

 僕らに解るのは、それが好きか嫌いかっていう個人的なその場限りの気持ちだけ。

 いつ変わるかもしれない。あやふやな。それでいてすごく執着してしまう厄介な心。

 自分に迷うのも当たり前だ。

 だから解る事だけ考えよう。

 どっちが好きか、嫌いか。本当に使う物か、そうじゃない物か。

 良いとか悪いとか。正しいとか正しくないとか。そういう事を考えるのはもう止めた。

 それがきっと、間違えない為のたった一つの方法なんだ。

 そんなお話。




EXIT