そうしたいと思う時、心の中で小さなおじさんがそっと後押しする。 でもそれをそうしたいと思わない小さなおばちゃんがぐっと止めたりする。 おばちゃんは気まぐれで、気が変わって自分から後押ししたり、賛成していたのに急に止めようとしてしまっ たり、色々するけれど大体おばちゃんの方が強い。 小さなおじさんはとても前向き。何でもやらないよりはやった方が良いと思う性分で、ほんの少しでも興味が あるならやらせてあげたいと考える。 でもおばちゃんには頭が上がらないので、駄目と言われてしまうと強く言えない。 たまに元気を出して、これは絶対やらせなければならない、と思って頑張っても、やっぱり負けてしまう。 心の中にはこの二人しか居ないので、相談できる相手もいなくて、結局毎晩飲んだくれてしまったり。 それでまたおばちゃんにこっぴどく怒られて、もう後押しなんかニ度とさせないよ、と強く言われてへこんで たりする。 おじさんはなかなか大変だ。 後押しする側がこんな具合だから、人が簡単に一歩踏み出せないのは仕方ない。 だからもし貴方が一歩でも踏み出せたなら、それはきっとほとんど貴方一人の手柄で、だからこそその心に誇 りを持っていいと思う。
そんなお話。 |