衆人の中の孤独


 違和感がある。いつどこで何をしていても、それは消えない。誰かと居ても、何を話していても、面倒くさ

いような胸の中にぽっかりと何かが空いている。不満がある。

 それが常に問う。お前は今何をやっているのだと。時間の無駄だろう。同じ事の繰り返し、意味の無い浪費

に過ぎない。

 孤立感。繋がりの無さ。そこに居る誰とも決して結ばれない、という気持ち。側に居るはずなのに、言葉を

聞き、言葉を伝えているのに、何も埋まらない。

 嫌いなのではない。むしろ好きだ。だから共に居る。しかしそこに違和感を覚え続ける。決められた時間、

ただ一緒に過ごすだけの仕事のような、そういう虚しさを。

 さっさと止めてしまえ、そういう声が聴こえる。無駄だろう。そんな繋がりに何の意味も無いのだと。

 それに負けそうになる自分が居る。だらだらと過ぎていくだけの時が、無性に腹立たしく、しかしそれを改

めるだけの力が無い。無理矢理紡いだ言葉が空回りして消えていく。相手の言葉も全て宙に消えてしまう。私

にも届かない。

 何も。

 何が欲しいのかも解らない。

 ただ寂しい。

 その繋がりを否定したところで、待っているのは完全なる孤独。

 肯定しても孤独。でも、誰も側に居ないよりはましだろう。

 そんな風に思い、この無意味な時を過ごしている。

 それを無意味だと言えないままに。

 今日もまた、同じ時が過ぎていく。




EXIT