餅突く雨、餅突く風


 地平線上のすべてに餅を敷き。

 降る雨によってぺったんぺったんと餅を突かせる。

 時には細やかに、時には力強く降り注ぎ。

 味は違っても、皆ほどよく突かれている。

 縄を天まで高く高く張り、その全てに餅をかける。

 風が吹く度にぺったんぺったんと突かれ、どこまでも伸びていく。

 その味はやわらかく、波打つ突き方は絶妙な舌触り。

 けれど雨突き餅は水っぽく。

 風突き餅はかちかちにすぐ乾く。

 水餅もかき餅も良いけれど、それも程度の問題だ。

 一つ一つ丁寧に、突いたお餅が一番美味しい。




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