ある島にて・・・（二十八日目・無頼遊戯）

二十八日目（無頼遊戯）

　あいつらの話によるとと瓜が聞き出した話によれば。

　やはり西瓜達はただの使い走りらしく。

　ただピーマンの言われた通りにやっていただけらしい。

　報酬も良かったので別に気にもしなかったようだ。

　まったく、不甲斐ねえ奴らだとご立腹の瓜。

　茄子と胡瓜は後片付けをしている。

　後はピーマンの奴をとっちめれば良い。

　多分、メロンの野郎は一人じゃあ何も出来ねえと瓜は立ち上がり。

　作戦タイムだ、と西瓜達の所へ向かった。

　ここでのやり方もあるだろうし、方法については瓜達に任せている。

　こういう時に余計にでしゃばっても良い事は無い。

　特にする事も無いので茄子達を手伝った。

　私は皿洗いに徹した。

　

　それから甲板に出てみた。

　この船は岩と岩の間に挟まって放置されているのでそんなに傾いてない。

　だから甲板から出入りするようになっている。

　そうなると生存率も高い方だと思うのだが。

　不思議な事に船員の気配がまるで無い。

　生活感の残り香はそこかしらに感じるし、間違い無くそう遠くない過去には結構な人数が居たと思うのだが。

　どこを見ても生存者どころか遺体の一つも見かけない。

　一体どういう事なのだろう。

　ここで野菜達と植物以外の生物を見た事が無い。

　昆虫すらいないのは明らかにおかしい。

　ここは何もかもが何処か変だ。

　考えれば考えるほど変で、何一つ解らない。

　変わらないのはこの風とあの空、そしてその海だけだ。

　それだけは私の知っているものと同じだ。

　だが、それだけなんだ。

　ここは・・・何処なんだ？？

　茄子が呼んでいる。

　なにやら瓜が話があるらしい。

　船内へ入りいつもの一室へ行く。

　そこには瓜達がどっかを座っていた。

　瓜は言う。

　後はピーマンだけだから最も俺達らしいやり方。

　つまりは正面から行ってたこ殴りにしてやると。

　そして出発は明日、以上。

　と言って皆準備に出て行った。

　私が口をあんぐりと開けているのに気付いた頃には。

　もうそこには誰もいなかった。

　しかしそんなので良いのだろうか・・。

　余計な口出しはしないと言ったが。

　少し不安な今日この頃。

　まあ、らしいと言えばこれ以上らしい事は無いだろうが。

　

　それから夜が更けるまで船内には怒号と喚き声が響いていた。

　ひょっとしたら、ただ瓜が暴れたいだけなのかも・・・。

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