回想

グローリアスデイズ（回想）

　僕はいつもついてない。

　宝くじを買えば常に前々後賞の番号。

　水溜りを避ければ溝にはまる。

　学校では一番嫌な時に一番嫌なタイミングで指され。

　御神籤では大吉よりも確率が低い正月の大凶を引き。

　気が抜けてボケた顔をした時にのみ好きな人に見られる。

　そんな人生を送っている。

　非常にやるせない、かつ理不尽な怒りに燃えて生きる人生。

　平凡な人生よりも面白い？

　ああ、そりゃあ面白いだろうさ。

　僕だって面白いよ・・、見てる分には。

　僕の名前は木城　褌総（キジョウ　ミツフサ）。

　冗談のような在りそうも無い名前だけど、これでも本名。

　大抵初めて会う人はご多分に漏れず読めない。

　しかも説明しようにも説明し難い名前なので、面倒だったらありゃしない。

　この時点ですでについてないからもうどうしようもない。

　柄にも無く運命の所為にしたくなる。

　だってそうでも思わないと呪われているとしか思えないじゃないかよ。

　と嘆いてみても何が変わる訳でも無く。

　真に儚い運命ですよ。

　

　そんな僕にも希望の兆しが見えて来たのはそう・・・、高校二年の春。桜舞い、心地よい風のそよぐ日だったと記憶している。

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