2-3.青き場所、それは記憶の中にこそ残る


 蒼き国の中心に近い街、空風(カラカゼ)。この街で炎狼は下ろされた。

 共に居るのは例の三名。しっかりと付いている。

 ただある程度自由は許されている。同士とは言えないが、客人程度の扱いはしてくれるようだ。

 三名の内、海雲と切咲はよく外出するが、久住だけはずっと炎狼の側に居る。

「やっと、住める」

 と言って彼女は笑っていたが。多分、見張りだろう。

 彼女達の真意は解らない。

 だが炎狼を手放したくないのは解る。

「そろそろ恩を返させてくれないか」

「うーん、まだ駄目ね。まだその時じゃないの」

「その時って」

「内緒」

 久住は多くを語らない。

 他の二人もそうだ。彼らがそうしたいと思う以上の情報を与えてはくれない。

「俺は恐れているのか」

 見えない道に乗せられたまま、自問自答を繰り返す。

 しかし答えは出ない。

 何故なら、そんなものは初めから炎狼の内に無いからだ。

 思えばずっと答えを持たずに生きてきた。

 応えようとはしたが、自分から何かをしようとした記憶はない。

 何かしたように見えても、それはただの結果。

 それが生き方だといえば聞こえはいいが。

 要するに臆病なのだ。

「臆病なのだ」

 その言葉が染み渡るように心に満ちた。

「泣いてるの」

「そうかもしれない」

 窓から見える唯一の景色は、何の慰みにもならない。

 ありふれた家壁が、いつも変わらずむっつりと押し黙っている。



「そろそろだ」

 海雲が言う。

「よっし、行こうぜ」

「うん、行こう」

 二人が同意した。炎狼には何も解らない。

 何も解らないまま連れ出され、歩かされる。

「こんなに、眩しかったのか」

 久しぶりに空から浴びる光は、記憶の中よりも鮮明で、目を開けていられないくらい眩しく輝いている。

 外出しなかった間に、太陽の力が強くなったのだろうか。

 炎狼が見なかった間に、全ては変わってしまったのだろうか。

「気をつけろ。目をやられる」

 海雲が気遣いの言葉をもらす。

 それとも他に何か意味があるのか。

 どちらにしても眩し過ぎる。炎狼は素直に視線を下げた。

 顔を上げられないその姿が、囚人のように思える。

「何処へ行くんだ」

「黙って歩け」

 海雲は絶えず炎狼を見ている。

 その態度を視線には出さないが、はっきりと解った。

 彼の放つ殺気は粘りつくように強い。

 無意識でもそれを放っていられるかのように。

 通行人もどこか彼を避けている。目を合わせようともしない。

 はっきりと怯えているように見えた。

 外での海雲は何かが違う。

 それともこちらが本来の姿なのか。

「目立つぞ」

 と言おうとしたが、それを口に出せない雰囲気に満ちている。

 口数の多い切咲でさえ、今は強張った顔をして黙っていた。

 これでは死刑囚だ。

 そして今正にそこへ向かっている。

 その時の気持ち、そしてそこへ送っていく者の気持ちはどういうものなのだろう。

 寂しいのか、せいせいするのか、嫌悪感か、快感か、それとも・・・。

「・・・・」

 思考を暑い日差しが覆う。

 焦げ付きそうな程強いそれに対し、炎狼は抗う術を持たなかった。



「逆らえないという事を知っているかね。では、逆らいたくないという事は」

 深みのある、良く解らない声が問う。

 年齢も性別も汲み取れない、そんな声だ。

 抗ってみたくなったが、今は素直に答えた。

 炎狼は両方に同意する。

 その二つの気分は気が遠くなる程良く知っている。師と共に在るという事。つまりそれがそういう事だ

からだ。

「よろしい。君には見込みがある」

 暗がりの中に今、炎狼と影一人だけが居る。

 そこは一軒家らしいが、あまりそういう気はしない。

 広い部屋が一つあるだけだからだ。

 一階も二階もない。全てがくり貫かれたような一つの大きな部屋。

 窓も一つしかない。扉も一つあるだけ。

 その不自然な広さが驚くほど濃い暗闇を作り、一つあるだけの窓から差す光が目の前に居る何者かの姿

を深く影に隠す。

 光の中では、何も見えはしない。

 全てを照らす筈のそれが、何もかもを隠す。

 不自然な自然。

 しかし受け容れ難い感覚だからこそ、日の光と同様、決して抗えないという気持ちにさせる。

 無駄なのだと。全ての努力は無駄なのだと。

 神の前で無力であるように、この光を見通す事は誰にもできない。

 そう思った。

 師の真意のように、それは誰にも知る事ができない場所なのだと。

 同情される程に、無力である。

「貴方は誰だ」

 辛うじて言葉を紡(つむ)ぐ。

「それを知って、どうするのかね」

 影が応える。

「解らない」

「なら、聞く必要は無い。そうだろう」

 影は呆れたように目を逸らした。

 そして立ち上がり、背後を向く。

「とにかく、君にはあの三人に協力してもらいたいのだ。目的は解るかね」

「いいや」

「そうか、ならそのままでいい」

「しかし、それでは何も解らない」

「解らない方が便利な事もある」

「しかし、俺は・・・」

「勘違いしないでくれよ」

 影が濃くなったような気がした。

「何もこちらが頼んでいる訳ではない。君の意思などどうでもいいのだ。解るかね、解るだろう、解る筈だ

よ、君には」

 再び炎狼の方を振り返る。

「なら、何も言う必要はない。そうだろう。さ、行きたまえ、そして証明してもらおう」

「何を」

「正確に言わなければ。君が、銀豹である事を、だよ」

 炎狼はそれ以上何も言えなかった。



「勘違いされているのかもしれない」

 初めはそう思った。師と勘違いされているのかもしれないと。

 不自然だが、そう考えるしかない。

 だがやはりそれは違う。銀豹と炎狼の容姿が、そして何よりその力が、違い過ぎる。月と屑石を、誰が間

違えるだろうか。

 では何故、あの影は師の名前を出したのか。それも炎狼にそうである事を証明しろと言った。

 例えその前に理解できない言葉が置かれていたとしても。

 それはどういう意味なのだ。

「銀豹になれ、という事か」

 寒気がする。

 想像するだけで、心がその事を拒否する。不可能だと。

 お前は考えてはならない事を考えた。そう教えてくれる。

 しかし、本当はそれを望んでいたのかもしれない。

 そして師もまた、それを望んでいたのではないか。

 師が望む炎狼になるには、炎狼自身が銀豹にならなければならない。

 そんな気がする。

 気のせいなのだろうか。

 解らない。

 解らないまま、歩き続ける。

 炎狼はいつもそうだ。そうする事しかできない、そう思っている。

「受けたのか」

「ああ」

「まあ、そうするしかないだろうな」

 海雲が隣を歩く。いつから居たのだろう。気配に気付けなかった。もし今この男にその気があったとした

ら、炎狼は・・・。

「気にする事はない。誰でもそうする」

「あんたでもか」

「ああ、そうだ。私もそうする。それ以外に何がある。あったら教えて欲しいものだ」

「かもしれないな」

 二人はそのままの速さで、影になるまで歩き続けた。



 血生臭い臭いが刃にまとわりついている。

 傭兵達はこの臭いを死霊と呼んでいる。

 自分達が殺した人間の恨みが、こうしていつまでもまとわりついてくるのだと。

 海雲が標的を暗殺し、護衛が居れば炎狼が斬る。それが第一の仕事だった。

 仕事は楽だった。海雲は恐ろしく腕の立つ暗殺者。標的は次の瞬間に死んでいる。

 瞬きをする前に、それは終わっていたのだろう。

 不意に襲われれば、炎狼もその凶刃から逃れられるか解らない。

 影そのものである刃は、海雲に相応しかった。

 どこまでも伸び、自在に変化して喉を狙う影の刃。

 狙われて生きていられる自信は無い。

「俺の協力は必要だったのか」

「その通りだ」

「そうは思えない」

「お前は、理解していない」

「この国に来れば、こんな事から離れられるだろうと思っていたんだが」

「・・・・本当に、離れたかったのか」

 炎狼はその問いに答える事ができなかった。

 結局、それを望んでいたのは、彼の方だったのかもしれない。

「落ち着くまで、ここで待つ」

「解っている」

 逃走経路から隠れ家まで、全て周到に準備されていた。

 標的の護衛も一人しかおらず、協力が必要だったのかは疑問だ。

 でもそれを海雲が望んだのなら、多分必要だったのだろう。

 この男はそういう男だ。

 少し、解ったような気がする。

 多分、気のせいなのだろうが。

「これを付けておけ」

「何だ、これは」

「香水だ」

「何故、そんなものを」

「久住が嫌がる」

 炎狼は素直に付けたが、久住は解っている筈だ。普段は使わないこの香水の匂いが、即ちその臭いである

事に。

 この心地良い匂いが、久住にとっては死霊そのもの。

 その事が何故か酷く炎狼を困惑させた。



 仕事を何度か成功させると、海雲から警戒の色が薄れてくるのが解った。

 認めてくれたという事か。

 そうかもしれない。共に血を浴びた関係は、それだけで恐ろしく濃密な繋がりを持つ。炎狼はその事を充

分過ぎるくらいに知っていた。

 そして思い出す。共にそうした日々を。

 銀豹、陽炎、以前共にあった二人の人間は、どちらも深く炎狼と結び付いている。その意味は違うが、ど

ちらとも離れられない関係にある事は同じ。

 師は言うまでもないし。陽炎もまた炎狼を生かしてはおけない。その手で殺さなければ、彼女は真の意味

で傭兵隊長に認められないからだ。

 それまでは隊長代行とでも呼ばれるのだろう。

 実権は変わらないが、彼女の誇りがそれを許さない。

 誰かの代わりに耐えられるようなら、彼女は陽炎ではなかっただろう。

 今も必死になって炎狼を探している筈だ。

 暫くは見付からないだろうが、いつまでも逃れられるとも思わない。いずれ決着をつける必要がある。

 ここまで変わってしまった関係に不思議さを思わないでもないが。いつかはこうなったような気はしてい

る。陽炎は副長に満足できるような人間ではなかった。

 誰がそうしなくても、いつかはそうなっていた筈だ。

 全ては早いか遅いかだけの違い。

 その時勝つのはどちらだったのか、それが解るのはまだ先の事。

 そして今、海雲という三人目を得た。この男とはどういう縁をたどる事になるのだろう。

 今はまだ、何も解らない。

 彼らの目的も、炎狼がここに居る意味も。

 これからどうなるのかも。

 何も、解らない。



「順調だ。全ては上手くいった、一先ずは、だがね」

 影は薄暗い部屋で一層黒い。

「用件は」

「単刀直入というやつか。それが赤き国の流儀かね」

「かもしれない」

「そうか、ならば応えよう」

 影がこちらを向く。

「先ほども言ったが、とりあえずやるべき事は終わった。おかげでこの地一帯を掌握でき、全てがやりやす

くなる。後は我々の方で行う。君達には休暇というやつをやろう」

「俺の監視の間違いだろう」

「おやおや、そんな風にとっていたのかね。それでは彼らが可哀想だ」

「彼女が、の間違いじゃないのか」

「彼女。・・・・一体誰の事だね」

 影が疑問を抱いている。その心は偽りではない、そう思えた。これは初めての経験だ。

「あんたの事さ」

 炎狼は咄嗟(とっさ)に嘘を吐く。触れてはいけない疑問だと思ったからだ。

 しかし勝手に流れた嘘は、全くのでたらめでもなかった。

 いつも思っていた事だ。特にその声が、炎狼に響かせる。

 この影は、そうなのだと。

「驚いた。知っていたとはね」

「言ってみただけさ」

「ほほう、なら、私はまんまと引っかかったという訳か。これは愉快だ」

 影はいつまでも笑っていた。

 暗闇の中に笑い声が満ちる。

 誰かと似ているが、誰とも違う。今までとはまた別の声。

「じゃあ、もう偽る必要はない訳か。まあいいさ、別に支障がある訳ではない」

 影の声が戻る。性別不詳のあの声に。

「最初の問いに答えよう。君にはあの二人に伝えてもらいたい」

「何を」

「休暇を与える、という事をだよ」



「やっと休みか。ちょっと長かったなあ」

「誰かさんを連れ出すのに苦労したものね」

「そうそう、色々と苦労した、ってか、予定外だったからなあ」

「切咲」

「へーへー、解ってますって。お喋り禁止ね」

 海雲の制止に気分を害したのか、切咲は振り返りもせずに出て行った。

 どこへ向かうのかは知らないが、彼は彼で休暇を満喫するのだろう。

「久住も余計な事を言うんじゃない」

「ごめんなさい」

 久住も気落ちしたようにして出て行く。

 海雲という男は、炎狼が考えていたよりも立場が重いらしい。

 それは仕事上という意味ではなく、もっと個人的な、そして親しい意味でそうなのだろう。

 その理由を知りたいとも思ったが、知りたくないとも思った。

 核心に触れるのはいつも怖い。

「お前は行かないのか」

「行く当てがないからな。それに俺が一人で行動したら、困るだろう」

 その言葉に海雲が不可解な表情を浮かべたが、すぐに消えた。

「そんな風に思っていたのか。なら安心させてやる」

「保証でもしてくれるのか」

「いや、もっと簡単な事だ。今のお前のように、人は行く当てが無ければ逃げられない。そしてこの一帯は

我々が掌握している。この二つから導き出される答えはなんだ」

「理解した」

 炎狼は立ち上がり、外へ出た。

 海雲から答えを聞いたら、ここから出なくてはならない。

 いつも最後に彼一人だけが残るのだ。



 当てもなく付近を歩く。

 この辺りは人通りの少ない場所であるようだが、日用品や食糧などが買える店は揃っている。

 暮らすのに不便はないし、どこに誰が居るかも掴みやすい。

 誰かを隠すには格好の場所だといえる。

「この全てが俺の見張りという訳か」

 今も誰かが炎狼を追っているのか。

 それとも一定の距離に監視が置かれているのか。

 或いは被害妄想でしかないのか。

 どれであれ、赤い炎狼はこの国でも良く目立つ。逃げようがないし、逃げる場所に当てはなかった。

 彼の言う通りだ。

 この蒼き国にまで人相書きが回っているとは思えないし。例え回っていたとしても、それを真剣に探す者

など居ないのかもしれない。

 だがもし見付けたとしたら、放ってはおかないだろう。

 他国の犯罪人、それも他国に人相書きが回ってくる程の重罪人なら、交渉の材料にできる。

 敢えて求めはしないが。降ってきた利を拒むような事もしない。

 当てもなく、逃げられる訳がなかった。

「赤き国の犯罪者なら、情報源になるしな」

 蒼き国と赤き国の仲は冷え切っている。

 交戦状態にある訳ではないが、そうなるに足る理由があれば、拒みはしないだろう。

 昔から争ってきたし、これからも争う。

 それが今、一時の休戦状態にあるというだけ。

 蒼き国は赤き国の情報には相応の対価を払う筈だ。

 赤き国の元傭兵隊長なら、積極的に探す可能性もある。

「そういう意味でもあるのか」

 逃げられないと言った意味は、そういう事でもあるのかもしれない。

 そしてそこから解る事は。

「あいつらと蒼き国の利害関係は必ずしも一致している訳ではない」

 もしかしたら全く関係がないのかもしれないし、互いに利用しあうだけの関係なのかもしれない。

 解らないが、蒼き国だけに属する者達ではない。

 一体何者なのだろう。

 組織がある事は確かだが。しかしそれも見せ掛けだけという可能性がある。

 影と海雲と切咲。この三人だけの組織。そう考える事もできる。

 そして久住。

「彼女は何者なのか」

 解らない。

 もしかしたら誰も知らないのかもしれない。

 彼女は誰とも手の届かない場所に居る。

 ふとそんな気がした。



 日が落ちてきたので、炎狼は居るべき場所へと帰った。

 途中、切咲にも久住にも会っていない。

 あの二人はどこに行ったのだろう。

「任務か」

 その可能性はある。そうでない理由はどこにも無い。

 あの三人の会話は、その全てを疑ってかかる必要がある。

 どこに何があるのか、いつも解りはしない。

 すでにいくつか見落としている事もあるのかもしれない。

 それが致命的な事なのか、そうでないのか、肝心なのはそこだ。

 例えそれが杞憂(きゆう)だったとしても、考えなくていいという理由にはならない。

 可能性は全ての人間の敵である。

 勿論、炎狼にとっても。

「お、重役出勤ってやつ」

「おかえり」

 切咲と久住が迎えてくれる。海雲はどこにも居ない。

「あいつなら、夜遊びに行った」

「え、そうなの」

「そうそう、だからお前はお留守番」

「あなたもじゃない」

「あ、そっか。あの野郎、子ども扱いしやがって!」

 怒る切咲を宥(なだ)める久住。今までもよく見かけた光景だ。

 違ったのは。

「おっし、追うぞ。あんたも来いよ」

「何だって」

「いいから、来いって」

 有無を言わさず連れ出される。

「いってらっしゃーい」

 二人を見送る久住の瞳は、炎狼が初めて見る色をしていた。



「どういう事だ」

「いいから、いいから。あんたも気になるだろ」

 無邪気に笑う。

 本当にそういう意味なのだろうか。

 他に理由が。

「あいつたまーにこの時間に出かけるんだ。いつも夜明け前には戻ってくるけど」

「仕事じゃないのか」

「違うよ。あいつはそんな働き者じゃない。あんたみたいにね」

 無邪気だが、凍りつかせるような有無を言わさぬ笑顔。

 切咲。こいつはこんな顔をしていたのか。

 海雲と同じだ。種類は違うが、同じ場所に居る人間。

 では久住は。彼女もそうなのだろうか。

「さ、行こうぜ。行き先はもう解ってるんだ。後は行くだけさ」

 楽しそうに振舞う姿が、酷く空虚に思えた。

 炎狼もまた、そうなのかもしれない。

 所詮、彼も同じ場所に居る。



 その場所を簡単に言えば酒場宿、といった感じか。

 酒と食事が主だが、頼めば泊まらせてもくれる。

 どこにでもある便利な店。炎狼も随分世話になった事がある。

 師に何度も何度も理解させられた場所。

「さっさと入ろうぜ」

 何の迷いも無く入る切咲。

 それを追う炎狼。

 しかし、何かがおかしい。

 ずっと正体の掴めない違和感があった。

 そして今見る切咲の顔は、どこかで見たような気がする。

 前にもこんな事があったような。

 勘違いだろうか。

「奥の部屋を取った。そこで待とう。あいつは今出てるってさ」

 言われるまま付いて行くしかない自分に、炎狼は何も変わっていない事を思い知らされた。

「結局、今も流されるままなのか」

 それが解っていながら歩を止められないという事が、彼という人間を表しているのだろう。

 今も、昔も、何一つ変わっていない。




BACKEXITNEXT