対ドランク連合

勇猛果敢合同打破

「むう、反撃もそろそろきつくなって来たの・・・。よし、三機ずつ固まり散開せよ！！」

「了解！」

　帝国機達は隊列を崩し、三機ずつ散り散りに四方へと拡散する。

　ドランクも岩陰まで下がりながら、ゼロライムへと通信を合わせる。

「ゼロライム、ゼロライム、大丈夫かの」

「ええ、何とか助かりました」

　通信パネル越しに見えるゼロライムの顔は思ったよりも元気そうだった。タフな奴めとドランクも心

中舌を巻く。まあ、レイウスが教官なら納得かも知れない。あいつは容赦無いからな、と懐かしく病状

を心配もする。

「しかし、あれほどの威力があるとはの・・・。正直驚いたの」

「ええ、俺も吃驚しました。それに限界時間がすぐに来てしまいましたし」

「なるほど、やはりその機体は扱いが難しいの・・・・。取りあえずお主はイザリーのとこに戻ってお

れ。いざとなったらイザリーを連れて逃げるのだぞ」

「はい、了解しました」

　ゼロライムとの通信を切るのと同時に、他の兵達からも通信が次々と入る。どうやら互角以上に戦え

ているらしい。敵指揮官が戦場に不在なのも、勿論こちらに有利に働いているのだろう。

　そうして緊迫した状況が続けば、指揮官機が撃破されたと言う事実もじわりじわりと働いてくるはず。

「しかし調子の良い時にこそ、落とし穴があるからの。気を引き締めねばなるまい」

　そんな風に気合を入れ直す、丁度その時。

「オイ、テッキガチカヅイテクルゼ」

　小パネルの赤い炎影、炎精霊第三種サラマンダーが警告を発する。

「む、新手かの！？」

　振り向いたその先に、陽光に輝く青い刀身が二本キラリと光る。

「くっ、ぬおおおおっ！」

　慌てて急旋回したその跡に、青い機体が二機、軽い地響きと共に舞い降りる。その手の刃は深く地面

を抉っており、一瞬の判断ミスを犯した場合の結果をはっきりと物語っていた。

「何者だの！」

　その青い機体は以前共和国の主力として使われていた水中戦用ウンディーネのようだった。少し形状

が違うところを見ると改良されているらしいが、汎用ウンディーネと比べるといかにも性能が落ちる。

　それでもその速度はシルフィードに匹敵する程に感じられる。

「機動性の技術はやはり北方に遥かに劣るか・・・・。しかしこやつらは・・・・」

　青い二機はお互いにサポートがし合えるぎりぎりの距離を保ちつつ、じりじりと挟撃態勢を整える。

　連携力もそうだが、乗り手の共感者の腕の良さを知らしめしている。

「むう、これはしんどいの・・・・」

　岩を背に銃を構えるが、近距離では如何にもこちらが不利。

　二機はその間もじりじりと迫ってくる。

「くっ、覚悟を決めるかの！！」

　ドランクの銃撃が戦闘開始の合図となる。　

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