生きる事とは死に向かう事

幸福と不幸は等価らしい

　　儚くもあっさりと日は昇り、明日と言う日は意外と早く訪れる。　

　　未来と死とは同じモノだと誰が気付きたいと思うだろうか。否、思わない。

　「おやおや、みつふさン。朝っぱらから変な顔しやがって」

　「ぐほッ！何しやがる、赤司。人がセンチメンタルな午後を過ごしていると言うのに」

　「ふふふふふふふ。横文字を使えば良いってものでも無いよ、みつふさン」

　「むむむむむむむむ」

　　そうして変人代表と大いに睨み合っておりますと。

　「あらあら、変人二人が何してるのよ？男同士が見詰め合っても気持ち悪い事、この上ないわよ」

　「おお、あいらン。無限に広がる宇宙の解析は終わったのかね？」

　「ああ、その件ね。まあ、もう少しかかるわね」

　　そして今度は見詰め合う変人二名。

　「いったい二人で何の話をしてるんだ？？無限に広がる宇宙の解析って・・・」

　「ふふふふふふふ。美味しい話だよ」

　「そう、美味しい話」

　「・・・・・・・・・・・・・」

　　ただでさえ言う事がさっぱりなのに。この二人が口裏を合わせると始末に終えない。

　「だから何なんだよ？美味しい話？？訳が解らないよ」

　「とても大事で美味しい話だよ、みつふさン」

　「そう、とにかく美味しい話なのよ。これだけ言えば解るでしょ、貴方も」

　　だからさっぱり解らん言うに。この変人連盟めッ！！

　「だ～か～ら～、わからないって～♪」

　「美味し～い、話だ～よ～♪」

　「そう、そうい～う事なのよ～♪」

　　さっぱり～♪さっぱあ～り～♪

　「だからさあ。解んないんだってばさ！」

　「まったく、せっかちだなあみつふさンは」

　「そうそう、木城君はせっかちすぎるのよ。人生はもっとゆとりを持たないとね」

　　何処をどう、例えこねくりまわしたとしても解るわけが無いってばさ！！

　「うーん、また二人して僕を謎の渦中に突き落とす気か？」

　「おやおや、聞き捨てなら無いねえ」

　「そうねえ、それはちょっと世間的にも問題ねえ」

　　言い方と言葉の使い方ってのは難しいからなあ。

　「うーん、世間的に問題ってのはちょっと申し訳無いかなあ」

　「うむうむ、友達に対してそれはなかなかに問題だぞみつふさン」

　「そうねえ、友達に対してそれはねえ」

　　確かにそう言われてみればなあ。例え友変人だとしても。

　「そうだなあ、悪かったよ二人とも」

　「うむうむ、解れば良いのだよ」

　「そうよねえ、自分の非を認めてもらえれば。こちらとしても許せるわねえ」

　　許し合えるって事も大切な事だよなあ。

　「そう言ってもらえるとありがたいよ、僕も」

　「ははは、まあ許してもらって精一杯ありがたかってくれたまえ」

　「そうねえ、そこら辺はありがたがってくれないとねえ」

　　おおっと調子付いてきたなあ、変人連合どもめッ！

　「おいおい、それはそれで良いけどさ。さっきの話はどうなったんだよ？」

　「さっきの話？ああ、国際連盟と連合はどっちが先かって話しかね」

　「そうねえ、それは微妙に覚え難いわねえ。別にどっちだって構わないし」

　　まあそれも学生には微妙な問題だけども。

　「いやいや、宇宙が美味しいとかって」

　「うむ、ドーナツ星雲だとか何とか美味しい話題が宇宙にはてんこ盛りだ」

　「そうねえ、でもそんなに美味しい話題は無いけどね」

　　くうっ、例え二人がかりと言えども変人パワーに負けてたまるかッ！

　「いや、そんな話じゃなくってだな。赤司が最初に狗引に無限に広がる宇宙の解析が終わったかって聞

　いてたじゃないか」

　「ああ、その話かあ。なら初めからそう言えばいいものを。このこのッ、にくいねえ」

　「そうねえ、紛らわしいのよねえ」

　　変人などには我屈せず。

　「むむう、良いから教えてくれよ」

　「そうだなあ、良し。言ってやれあいらン。やれやれ、世話が焼けるなあみつふさンは」

　「まったく、同感ね。無限に広がる宇宙の解析とは、文字通りケーキのスポンジやクッキーを焼いた時

　の膨張率の計算の事よ」

　　・・・・・・・・・・・・こんな奴らに囲まれた僕の苦労。少しはご理解いただけたかと。ああッ、

　何も言わないでッ！その目だけは止めてくれッ！！そしてモノを投げないでッ、お客さんッ！

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