何でこのメンバーなのだろう？？

そして訪れる最良？の日

　　遊園地・・・・それはテーマパークの代名詞。古今東西無数に存在し、それはもう一端の市にでも行

　けば必ずお目にかかり。そこに入れば平日だろうと休日だろうと多数のカップルに遭遇してしまう。

　　それも小学校から社会人、中年のおっさんまで。子供連れからこりゃあどういう事じゃい！と言う感

　じの恐ろしいカップル、いやこの場合はむしろコンビと呼んでしまおうまで、本当に多種多様な人間が

　織り成す不思議な空間が出来上がる。

　　こんな光景が見れるのは遊園地くらいだと思う。しかし平日に居る中高生は何を考えているのやら。

　学費がもったいないねえ。

　　等と言いつつ居る今日の日は、勿論休日であります。

　「木城くん、はいアイス」

　「ありがと」

　　高見さんと約束の奢りの最中なのであります。

　「おっ、美味そうだねえ、みつふさン」

　「あっ、私はストロベリーとバニラのダブルのやつね」

　　そして赤司と狗引も一緒なのですよ、くほほ。

　「お前等は自分で買って来いって」

　「あっ、何それ。木城くんの奢りだって言うから、このあたしが来てあげたのに」

　「そうだぞ、みつふさン。約束が違うぞ」

　　まったくこのタカリ虫どもめ。

　「僕が奢るのは高見さんだけだ！」

　「何よそれ、ひどーい。人種差別だわ」

　「そうだぞ、みつふさン。それが所謂イジメへと進化するのだよ」

　　こいつらは変人類として思う存分差別でも区別でもしたやりたいさ、ちきしょうめ！

　「良いから、お前等は自費！」

　「うわっ、せこ。せこい男はモテないわよ」

　「うむ、俺もがっかりだよまったく」

　　何だか酷くムカついたのでこれからは二人の頬を抓りつつ生きていく事にします。

　「ふぁひふふほほ」

　「ふぁにふふんはひふふはン」

　　以後二人の言葉の内容はご自由にご想像下さいまし。

　「ふふふ、皆仲良しだよね」

　「まあ、仲悪くは無いけど。仲良しとは言われたく無いねえ」

　「ひょっほふいふぁー、ふぁっふぁふひほいひひほほへ」

　「ふぁっふぁふはほ、はいふぁン」

　「あー煩いお前ら」

　　面倒くさいので手を離します。そしてしょうが無いのでチケットを渡してジェットコースターへ行か

　せました。

　「あ、良いの？悪いわね、いずれこのお返しはするわね」

　「あー、投げキッス何ていらないいらない」

　　狗引の投げキッスをさっとかわす。反射神経は大分良くなったものさ。

　「うわっ、その言い方酷く傷ついたわ。フンだ、行きましょう、藤狩くん」

　「うむ、行こう行こう。俺はああ言うぐわーーーっとしたものが大好きなのだよ」

　「ん、ゴジラの口とか？」

　「いやいや、それよりはむしろガメラだよあいらン」

　　等とこの二人が絡むと相変わらず謎な発言ばかりで、しかも何処となく解りそうだから始末に悪いの

　です。

　「いーーーッだ」

　　狗引は最後に舌を出して行きました。

　「うわッ、奢ってやってこの仕打ち。酷いぜ狗引」

　「んー、木城くんが苛めるからだよ」

　「むう、高見さんまでそんな事を」

　「でも狗引さんだって女の子なんだから。ちゃんとかまってあげないと拗ねちゃうよ」

　　そう言って健やかに笑う高見さん。女の子だと言うなら、こうあって欲しいもんですねえ。狗引も普

　通にしてれば十分美人で通るのですが。まあ、だから飽きなくて良いのかも知れないけれど。

　「そうかなあ、狗引がねえ。あのパワフルパワーさんがねえ」

　「んー、そう言うこと言ったらかわいそうよ」

　「そうかねえ。まあ、そんな事よりも折角来たんだから何か乗ろう乗ろう」

　「そうだよね。折角奢りだし、乗りまくらないとね」

　「うわ、ここにもタカリ虫が」

　「ふふふ」

　　等と言いながら、僕たちも吸い込まれるようにジェットコースターへ。

　　何故ならここにはそれだけしか乗り物が無かったからです。遊園地ならぬ、遊ジェットコースター地

　だったのです。ある意味ジェットコースター博覧会。一台でもジェットコースター。　
　

BACK・ EXIT・ NEXT