短編 寂しさ風味


一つの到達の果てに
隠遁する前は賢者と呼ばれていた人の話 
追憶の坂
何事も逃げれば逃げる程追って来ると言う話 
雄大を雲に乗せ
雲と海と大地と空のちょっと哀しい話 
黒白の帝
人間達のせいで余計な迷惑を受けている悪魔達の話 
その手に華を
感じる想いは全てそこへと還る 
輝ける日の下で
僅かな存在に圧倒される思い
もげる、もげろ
或いは永遠の生命
窓からの風景
一人から見る日常
憂鬱な男
憂鬱を楽しむ男
ある日の貴女
貴女には逆らえない
帽子の紳士
ある一人の紳士の話
かむかむすぐり
お子の笑顔
美の採掘者
ひたすらに掘り、喰らう、掘り、喰らう
悪魔と伯母
悪魔と住む暮らし
魔剣
求める力とは
一匹の羽虫
哀しいかな一つの生命
天地創生
幾度も幾度も創り続ける
水泥棒
うっかり余計な事を喋ると
優しい振り
優しい振りでいい
永遠に暗いトンネル
不似合いな永遠
浮遊
虚像
正義の味方
色々ありますよ、色々ね
小さなトゲ
苦しみに浸る楽しみ
臆病者の茂輔
恐怖と勇気とは
まるこい玉葱
今日も玉葱が転がる
大衆の中の孤独
孤独を感じる必要はない筈なのに
生への不条理な恐怖
生きる事が怖いのか。それは何故だ
争火
求めるだけが良い事か
愛する事を断念する理由
何事にも理由あり
もっと上手く
上手くやるという事
今、その時
変わらぬ最後
百億
失うよりも得る方が怖い
痛憶
襲い来る忘却の記憶
風の終着駅
風の行き着く先は
篝火
篝火の向こうに見る想い
胸風船
言えない気持ち
雑仕女
便の不便
善意
そこにある気持ちと現実の気持ち
実る果実
人知れず食される果実
かじる
口でかじる
廃屋
誰かが居た場所
晴耕雨読
晴れに忘れ、雨に泣く
がまんの種
我慢に我慢を重ねると
寝室の亡霊
消せない亡霊
窓越しに見る貴女
永遠に取り戻せない場所
バケツさん
バケツに自分を隠して
ぷうかぷか
ほんとはいつも揺れていたい
孤高と孤独
王と乞食
手討ち
人がソレを呼ぶ
ふわふわ卵
いつの間にか頼りきり
ころころり
外れた、一欠けら
過ぎ去りし願い
衆人の中の孤独
いつだって寂しい
青白い花
どちらにも属せない花
蒼い火
蒼く照らす火
ほっかむり
隠したい何か
大雪な花
逆あってこその生
エフンエフン
偏屈も比べる人あってのもの
鋼の翼
望むものはいつも間違う
背曲がり
滑稽な劣等感
気炎を揚げろ
風と枯れ草の騙し合い
歯向かう者
何故お前はそうなのか
侵略
その誰かにはなりたくない
汝が主人公であるが故に
誰もが理の中に在る
海月
憧れという虚しさ
アゲアゲサゲサゲ
うだつはもう上がらない
固形物と融解物
意志はどちらも固し
送受信
心の送受信
群青の空
悠久と刹那、共に虚しい



EXIT